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宮城県の考古学情報ー2015年度 
<全国の考古学情報はこちらです>
発掘調査速報、考古学関連イベントの情報をメール(info@m-kouko.net)でお寄せください。
マークのあるタイトルはクリックすると詳細情報を表示します。
田尻地区ほ場整備関連遺跡発掘調査成果発表会
 宮城県教育委員会と大崎市教育委員会は大崎市田尻地区のほ場整備事業に伴い,平成18年度から発掘調査を本格的に実施してきました。これまでの調査成果を皆様に広く知っていただくため,下記のとおり発掘調査成果発表会を開催します。
日時 平成28年2月20日(土曜日) 午後1時30分から ※入場無料
会場 大崎市田尻文化センター (大崎市田尻沼部字富岡166)  会場案内図 [PDFファイル/178KB]
主催 宮城県教育委員会・大崎市教育委員会
発表内容 平成18年度から27年度まで実施した,発掘調査成果を報告します。
北小松遺跡 縄文時代晩期(約2,500年前)を中心とした遺跡で,住居として使われた掘立柱建物跡のほかに,縄文人やイヌのお墓を多数発見しました。これらの周りには,縄文土器や石器,骨角牙製品などの道具が多く残されており,水辺に営まれた集落の様子を知る上で貴重な発見となりました。
団子山西遺跡 奈良時代から平安時代(約1,300年前から900年前)を中心とした遺跡で,掘立柱建物跡や竪穴住居跡,道路跡,河川跡などを発見しました。道路跡は,遺跡の北側にある当時の役所跡である新田柵跡に続いており,役所の南側の様子がわかる発見となりました。
通木田中前遺跡 縄文時代から弥生時代の遺跡で,弥生時代前期(約2,400年前)の土器がまとまって出土しました。この地域では縄文時代と奈良・平安時代の遺跡は多く見つかっていましたが,弥生時代の遺跡はあまり知られておらず,この地域における当時の様子を知る手がかりとなる発見となりました。
上記の遺跡などから出土した遺物のミニ展示もあわせて行います。皆様のご参加をお待ちしております。
詳細情報 田尻地区ほ場整備関連遺跡発掘調査成果発表会のご案内|宮城県
富沢駅西発掘調査展示会・報告会
日時 出土遺物展示会
     平成28年2月4日(木)午後1時から2月10日(水)正午まで(2月8日(月)は休館日です)
    調査成果報告会
     平成28年2月10日(水)午後2時から午後3時30分まで
会場 富沢市民センター(仙台市太白区富沢南1-18-10)
参加方法 申込不要、無料です。直接会場にお越しください。公共交通 機関のご利用をお願い致します。
展示解説する主な遺跡 富沢館跡、川前遺跡、鍛冶屋敷A遺跡
問い合わせ先 仙台市教育委員会文化財課 022-214-8899
東日本大震災復興事業に伴う発掘調査の成果報告会
日時と会場:
(1)2016年1月30日(土)午後1時30分~4時30分
 名取市文化会館中ホール(宮城県名取市増田字柳田 520)
(2)2016年1月31日(日)午後1時~4時45分
 南相馬市サンライフ原町集会室(福島県南相馬市原町区小川町 322-1)
主催:一般社団法人日本考古学協会
後援:宮城県教育委員会、宮城県考古学会、福島県教育委員会、南相馬市教育委員会、
    (公財)福島県文化振興財団、福島県考古学会 ※後援は予定
(1)宮城県における復興調査の成果
  あいさつ・趣旨説明
  宮城県の復興調査の成果と進捗状況   (天野順陽 宮城県教育庁)
  石巻市羽黒下遺跡の調査成果       (佐藤佳奈 石巻市教育委員会)
  多賀城市八幡沖遺跡の調査成果     (村松 稔 多賀城市埋蔵文化財センター)
  合戦原遺跡の横穴墓の保存について   (山田隆博 山元町教育委員会)
  宮城県における復興調査の成果と課題  (高倉敏明 東日本大震災対策特別委員会)
(2)復興調査でわかった福島県浜通の歴史と今後の課題
  あいさつ・趣旨説明
  福島県の復興調査への取り組みと今後の課題(轡田克史 福島県教育庁)
  南相馬市の復興調査と成果         (川田 強 南相馬市教育委員会)
  発掘調査でわかった浜通りの製鉄遺跡  (能登谷宣康 (公財)福島県文化振興事業団)
  双葉郡の復興調査の現状と今後の課題  (三瓶秀文 富岡町役場)
  東日本大震災と日本考古学協会      (渋谷孝雄 東日本大震災対策特別委員会)
詳細情報 各地の情報|日本考古学協会
第66回企画展「発掘された山元町」
-常磐道関連遺跡 発掘調査成果展2 日向・日向北遺跡-
日時 平成27年11月1日(日)~平成28年1月31日(日)
会場 山元町歴史民俗資料館
内容 常磐自動車道(山元IC~県境間)建設工事に伴い、山元町教育委員会で発掘調査を行った「日向遺跡」・「日向北遺跡」の調査成果について紹介いたします。ぜひご来館ください。
(展示概要)
〔日向・日向北遺跡の調査成果〕
 日向・日向北遺跡では、古墳時代後期頃~鎌倉・室町時代の集落が発見されました。今回の展示では、日向・日向北遺跡で確認された各時代の遺構や、出土した遺物について展示を行います。
〔山元町内発掘調査パネル展〕
 平成27年度に山元町内で発掘調査が行われている遺跡の速報について、パネルで紹介いたします。
~紹介遺跡~
 合戦原遺跡、犬塚遺跡、北経塚遺跡、熊の遺跡など 
 ※一部出土品の展示も行います
 ※合戦原遺跡で発見された線刻画の原寸大のパネルも展示予定
詳細情報 第66回 企画展 発掘された山元町|山元町

フライヤー(PDF形式1.28MB)
山元町 合戦原遺跡現地説明会資料(平成27年7月25日)
調査概要 平成26・27年度の調査により、古墳時代終末期から奈良時代にかけての横穴墓54基、古代の竪穴建物跡2軒、製鉄炉跡3基、木炭窯跡20基、焼成土坑・土坑60基などが発見されました(7月25日現在)。 特に、今年度の横穴墓の調査では、横穴墓の玄室奥壁で線刻画が発見されたほか、金銅製の太刀、直刀、鉄鏃や鐙・杏葉・帯金具などの馬具が出土し、横穴墓の被葬者像を考える上で、大きな成果が得られています。
合戦原遺跡現地説明会資料(PDF形式3.1MB)合戦原遺跡現地説明会資料(補足資料、PDF形式0.8MB)
詳細情報 山元町内遺跡発掘調査情報|山元町
多賀城市 多賀城跡第88次調査現地説明会
日時 平成27年11月7日(土)午前10:00から(小雨決行)
場所 多賀城市市川字立石地内 第88次発掘調査現場
    JR東北本線「国府多賀城駅」より徒歩10分  会場と駐車場については下の図を参照してください。
開催内容
    ・調査成果について職員が現地にて説明します。
    ・時間は一時間程度を予定しています。
    ・車でお越しの方は、用意した見学者用駐車場(位置図参照)をご利用ください。
     当日は周辺に駐車場の案内板を設置しています。
    ・調査区内には斜面や凹凸があります。歩きやすい服装でお越しください。
    ・ 参加は無料です。
調査成果
    築地跡とそれに伴う櫓の跡を検出し、規模・構造・変遷が明らかになりました。
    特に、櫓については築地が最初に造られた奈良時代に設置されたこと、
    平安時代に礎石式の櫓が造られたことが判明しました。
問い合わせ先 多賀城跡調査研究委員会事務局(宮城県多賀城跡調査研究所 研究班)
    電話:022-368-0102
    
詳細情報:多賀城跡第88次調査現地説明会の開催について|宮城県多賀城跡調査研究所
第63回文化財展「せんだい古今東西線」
期間 平成27年11月11日(水)~15日(日) 入場無料
会場 せんだいメディアテーク 1F (仙台市青葉区春日町2-1)
内容 第63回文化財展は地下鉄東西線が2015年12月6日に開業するのにあわせ,テーマを「せんだい古今東西線」とし,東西線沿線の文化財などを紹介する。その中でこれまで行ってきた仙台市内各遺跡の発掘調査や民俗調査の成果について,出土品や解説パネルの展示により,広く市民へ周知することを目指す。

講演会「陸奥国分寺と貞観震災」
講演者 東北大学史料館 准教授 永田英明
日時 11月15日(日)13:00~15:00 入場無料・申し込み不要
会場 せんだいメディアテーク 1F (仙台市青葉区春日町2-1)
内容 古代の道の震災復興における役割及び,陸奥国分寺薬師堂などについて
詳細情報:第63回文化財展のお知らせ|仙台市文化財課

フライヤー(PDF形式512KB)
仙台市 若林城跡 遺跡見学会
 仙台市教育委員会では、平成16年から宮城刑務所の改築に伴う若林城跡の発掘調査を行っています。現在、城内では第14次発掘調査が行われており、このたび調査成果をより多くの皆様にみていただくため、宮城刑務所の「みちのく・みやぎ矯正展」において遺跡見学会を開催いたします。伊達政宗が自ら造営し晩年を過ごしたかつて城の姿を、この機会にぜひご覧ください。
日時 平成27年11月1日(日曜日)
     1回目 11時40分から12時10分
     2回目 12時10分から12時40分
    受付時間は11時40分から12時10分です。
    ※雨天の場合は内容を一部変更する場合があります。
場所 仙台市若林区古城2丁目3-1(宮城刑務所内 矯正展会場)
交通のご案内 市営バス:古城三丁目経由霞の目(営)線
                「南小泉三丁目」下車・徒歩5分
          市営地下鉄:「河原町駅」下車・徒歩15分
詳細情報 若林城跡の遺跡見学会を実施します!!|仙台市文化財課

フライヤー(PDF形式、206KB)
現地案内図(PDF形式、334KB)
石巻市 羽黒下遺跡 現地説明会
日時 平成27年10月24日(土) 13:00~14:30
会場 羽黒下遺跡発掘調査現場
    石巻市給分浜字羽黒下(ココストア牡鹿店向かい)
内容 ・羽黒下遺跡は縄文時代前期を中心とした集落跡です。
    ・発掘調査で明らかになった縄文人の生活の様子を報告します。
その他 参加無料・申し込み不要です。
     駐車場は数に限りがございます。
     乗りあわせの上お越しください。
     雨天の場合は中止いたします。
     天候によって足元が悪い場合があります。
     長靴など歩きやすい靴でお越しください。

フライヤー(PDF形式、1.29MB)
現地案内図(PDF形式、1.19MB)
東松島市 江ノ浜貝塚 発掘調査現地説明会
内容 古墳時代から平安時代の製塩遺跡。古墳時代前期末頃の製塩、平安時代の製塩遺構や役人の帯飾り(石たい)が発見されています。松島湾岸の古代の製塩遺跡の良好な資料となっています。
場所 東松島市宮戸江ノ浜遺跡発掘調査現場
日時 10月17日(土)10:00~12:00
東北学院大学アジア流域文化研究所・大学院アジア文化史専攻公開学術講演会
『中国都城の空間構造』
場所 東北学院大学土樋キャンパス5号館2階522教室
日時 11月7日(土) 13:00~
講演 先秦都城の門朝・城郭構造(谷口満)
   中国北朝の都城(銭国祥)
   六朝建康城の復元(張学鋒)
備考 入場無料・申し込み不要
問い合わせ 東北学院大学アジア流域文化研究所
        TEL・FAX 022-264-6370
詳細情報 講演会・シンポジウム|東北学院大学アジア流域文化研究所

フライヤー(PDF形式、2.16MB)
第26回企画展「震災復興」と「遺跡」
東日本大震災の復興事業に伴って多くの遺跡を事前に発掘調査することになりました。調査件数は、震災以前と比べて大きく増加し、これまで経験のない規模の調査を実施しました。「一日も早い復興」と「遺跡の保護」を両立させるため、全国から派遣された専門職員の方々に協力をいただくなど、様々な方法がとられました。今回の展示は、4年以上におよぶ復興事業の発掘調査成果と、同じ課題に直面した阪神淡路大震災の発掘調査成果を伝えるとともに、平安時代に起こった貞観地震からの復興の様子も紹介します。
開催期間:平成27年8月30日から10月18日
会場:多賀城市埋蔵文化財調査センター企画展示室(文化センター内)
開館時間:9時から16時30分まで
休館日:月曜日(祝日の場合を除く)、9月24日、10月13日
入館料:無料
関連企画:いずれの関連企画も事前の申し込みは不要です。直接会場にお越しください。
トークイベント
第1回「過去の災害とこれから」
 日時:平成27年10月10日(土曜日)14時  会場:多賀城市市民活動サポートセンター大会議室
第2回「ふたつの震災からの復興」
 日時:平成27年10月17日(土曜日)14時  会場:多賀城市市民活動サポートセンター大会議室
ギャラリートーク
 会場:多賀城市埋蔵文化財調査センター展示室
 第1回9月12日(土曜日)10時  第2回10月3日(土曜日)10時  (注)2回とも同じ内容です。
市内巡回パネル展
 期間 8月25日(火曜日)から9月3日(木曜日)  場所 多賀城市役所1階ロビー
 期間 9月5日(土曜日)から9月17日(木曜日)  場所 山王地区公民館
 期間 9月19日(土曜日)から10月1日(木曜日)  場所 大代地区公民館
 期間 10月3日(土曜日)から10月18日(日曜日)  場所 多賀城市市民活動サポートセンター
企画展|展示・イベント|多賀城市の文化財
平成27年度宮城県職員(埋蔵文化財担当技術職員)採用選考考査
職種 埋蔵文化財担当 技術職員
採用予定人員  2人程度
申込受付期間 平成27年8月14日(金)から9月4日(金)
第1次考査 平成27年9月27日(日) 試験会場:仙台・東京
第2次考査 平成27年10月下旬 試験会場:仙台
詳しい受験案内(実施要項)・受験申込書は下記のページでご確認ください。
平成27年度宮城県職員採用選考考査の実施概要|宮城県教育委員会
山元町 犬塚遺跡・合戦原遺跡 現地説明会
<犬塚遺跡>
日時 平成27年7月25日(土) 午前10時30分から
会場 犬塚遺跡発掘調査現場
    亘理郡山元町坂元字犬塚 遺跡位置図(JPEG形式0.47MB)
    (駐車場は坂元中学校をお借りしています。)
調査主体 山元町教育委員会
調査協力 宮城県教育委員会・㈱日建
概要
(1)調査の理由
 山元町教育委員会では、土砂採取事業に伴い、事業計画地内に所在する犬塚遺跡について平成27年1月より本格的な発掘調査を実施しております。現在継続して発掘調査中ですが、その調査成果の一部がまとまりましたので、現地説明会を開催いたします。
(2)調査の成果
 今回の調査では、飛鳥時代から奈良時代にかけての住居跡17軒、製鉄炉4基、木炭窯5基、焼成土坑24基などが発見されました(7月17日現在)。

フライヤー(JPEG形式1.22MB)

開催要項(PDF形式0.18MB)
 製鉄炉は古代に属するもので、長方形の箱形炉と考えられます。製鉄の際に排出された鉄滓が現在でも地表面に露出し、山となっている状況が見られます。また、製鉄炉に使用した木炭を作ったと考えられる木炭窯や焼成土坑も発見されており、木炭窯は急斜面を利用して窯が作られています。
 これらの製鉄関連遺構は、福島県浜通り地区を中心として見つかっており、近年宮城県教育委員会が調査を行った犬塚遺跡や、町内の「新中永窪遺跡」、「合戦原遺跡」、「上宮前北遺跡」でも発見されています。これらの時期を見ると7世紀の後半頃から出現し、9世紀代には山間に入っていくという浜通りとの共通性が認められます。
 犬塚遺跡の北西側丘陵には、古代の官衙関連遺跡である「熊の作遺跡」が位置しており、建物群が7世紀後半頃から出現してくることから、地域の製鉄関連を掌握していた官衙である可能性が指摘されており、当遺跡も関連が深いと考えられます。また、これらの遺跡で生産された鉄は、対蝦夷用として多賀城に運ばれて用いられたと考えられており、地域の古代史を考えるうえで、貴重な発見と言えます。
<合戦原遺跡>
日時 平成27年7月25日(土) 午後1時00分から
会場 合戦原遺跡発掘調査現場 山元町高瀬字合戦原100地内
    (宮城病院敷地北側) 遺跡位置図(PDF形式1.01MB)
調査主体 山元町教育委員会
調査協力 宮城県教育委員会
概 要
(1)調査の理由
  山元町教育委員会では、宮城病院地区の防災集団移転促進事業及び災害公営住宅建設事業に伴い、事業計画地内に所在する合戦原遺跡について、平成26年8月から本格的な発掘調査を実施しております。発掘調査の実施に当たっては、発掘調査基準を弾力的に運用しているほか、早期に調査が終了するよう、他県からの応援を得て調査体制を強化し対応しております。昨年度、その一部の成果について現地公開を行ったところですが、今年度の調査で新たな発見がありましたので、再度、今年度の発掘調査箇所について公表するものです。

フライヤー(JPEG形式1.03MB)

開催要項(PDF形式0.21MB)
(2)調査の成果
合戦原遺跡では、平成26・27年度の調査により、古墳時代終末期から奈良時代にかけての横穴墓54基、古代の竪穴建物跡2軒、製鉄炉跡3基、木炭窯跡20基、焼成土坑・土坑60基などを確認しました。中でも、横穴墓の調査成果が注目されます。今回の調査範囲は、本遺跡の横穴墓分布範囲すべてを網羅する形となっており、横穴墓の支群構成を含めその全容を把握することができる重要な調査となっています。これまで横穴墓群の全範囲を調査する事例は県内でも少なく、54基を一度に調査している点でも学術的に貴重といえます。特に、今年度の調査では、横穴墓玄室の奥壁に「線刻画」を有するもの(1基)や玄室内に釘が打ちつけられたもの(2基)など、新たな成果が得られています。「線刻画」とは、横穴墓の壁に線を刻んで絵を描いたもので、今回発見された線刻画には、「鳥」や「人」などと考えられるさまざまな図柄が確認されており、その多様な図柄の線刻画は県内初の事例と言えます。玄室内に釘が打ちつけられた事例についても、県内で類例が少なく、当時の横穴墓の葬送方法を考える上で学術的に非常に貴重な発見となっています。また、出土遺物についても、昨年度の調査ではみられなかった銅製壺鐙、鉄製輪鐙、帯金具、鉄地金銅張の杏葉などの馬具や金銅製大刀などの多種多様な副葬品が出土しております。中でも銅製壺鐙の出土は県内初となります。これらの出土遺物の様相や線刻画を有する横穴墓の存在から、合戦原遺跡で発見された横穴墓の被葬者については、この地域を治めた有力者層の集団であったと考えられ、馬具や線刻画が確認された横穴墓には、その中でも特に位の高い人物が葬られていた可能性が高いと推察されます。この他、今回発見された製鉄炉跡と木炭窯跡については、製鉄関連遺構と考えられ、近年山元町内で発見されている新中永窪遺跡・犬塚遺跡などの製鉄遺跡群との関連が窺えます。
問い合わせ 山元町教育委員会生涯学習課 TEL:0223-37-5116(各現場連絡先は開催要項をご覧ください)
「東北の古代史」全5巻・「東北の中世史」全5巻 刊行のお知らせ
 近年、進展がめざましい東北の歴史研究。多くの遺跡や新史料の発見、宗教・美術・民俗など、広範な分野との連携による学問的蓄積を背景に、東北の原始から中世までの新しい通史を描き出す二大シリーズ古代編。地域の研究者を中心にわかりやすく執筆。日本列島から北東アジア規模にまで広がる世界に東北を位置づけ、新たな〝北〟の歴史像を提示する。
フライヤー(PDF形式2.42MB)
刊行記念対談(熊谷公男氏・柳原敏昭氏)本郷No.118(2015.7)(PDF形式2.94MB)
東北の古代史 全5巻
  〈企画編集委員〉熊谷公男・柳原敏昭
  四六判・上製・カバー装・本文平均250頁・原色口絵4頁
  2015年7月より隔月ごとに1冊ずつ配本予定
  各2400円(税別)
①北の原始時代 2015年7月発売
 阿子島 香編(東北大学)
②倭国の形成と東北  2015年9月発売予定
 藤沢 敦編(東北大学)
③蝦夷と城柵の時代  2015年11月発売予定
 熊谷公男編(東北学院大学)
④三十八年戦争と蝦夷政策の転換
 鈴木拓也編(近畿大学)
⑤前九年・後三年合戦と兵の時代
 樋口知志編(岩手大学)
詳細 東北のルーツを見つめ直し、新たな“北”の歴史像を描く二大新シリーズ古代編!|吉川弘文館



東北の中世史 全5巻
  〈企画編集委員〉柳原敏昭・熊谷公男
  四六判・上製・カバー装・本文平均250頁・原色口絵4頁
  2015年6月より隔月ごとに1冊ずつ配本予定
  各2400円(税別)
①平泉の光芒 発売中
 柳原敏昭編(東北大学)
②鎌倉幕府と東北  2015年8月発売予定
 七海雅人編(東北学院大学)
③室町幕府と東北の国人  2015年10月発売予定
 白根靖大編(中央大学)
④伊達氏と戦国争乱
 遠藤ゆり子編(淑徳大学)
⑤東北近世の胎動
 高橋 充編(福島県立博物館)
詳細 東北のルーツを見つめ直し、新たな“北”の歴史像を描く二大新シリーズ中世編!|吉川弘文館



東北学院大学アジア流域文化研究所 公開シンポジウム
「古代倭国北縁の軋轢と交流―栗原市入の沢遺跡で何が起きたか―」
大和王権が日本列島で最初の広域支配体制を広げる4世紀の頃。
大和と同じ暮らし方をする人々が
北のはずれに深い濠と材木塀で防御を固めた大きなムラを作った。
しかし、ムラは火事に遭い放棄された。
大切な鏡や装身具、鉄製品までもが遺跡に残された。
栗原市入の沢遺跡でいったい何が起きたのだろうか。

フライヤー(PDF形式1.12MB)
日時 平成27年9月21日(月)~9月22日(火)
会場 栗原文化会館(アポロプラザ、栗原市築館高田2丁目1-10)
主催 東北学院大学アジア流域文化研究所
協力 宮城県教育委員会・栗原市教育委員会
後援 宮城県考古学会
対象 どなたでも受講できます(入場無料・申し込み不要)
趣旨
 日本列島では、3世紀中頃に前方後円墳が出現し、4世紀のうちに南は九州志布志湾沿岸、北は宮城県北部まで広く分布するようになります。前方後円墳は大和王権によって作り出されたもので、全国に急速に広がる理由は、大和王権と地方の勢力が政治的に結びつきその証として大和王権が地方の勢力に前方後円墳の築造を求めたからだと考えられています。つまり、前方後円墳の分布は日本列島で初めての広域を支配する政治的連合体の出現と広がりを示すのです。
 東北地方でも4世紀に宮城県北部まで古墳が築造され、大和などと同じ生活の仕方をした集落が確認されています。つまり、宮城県北部にまで、大和王権に連なる勢力がいたのです。大和に連なる勢力はこれまで比較的順調に広がったと考えられてきました。しかし、平成26年に宮城県栗原市入の沢遺跡が発掘調査され、まったく新しい事実が判明しました。入の沢遺跡は大溝と柵木で防御された大規模な集落です。調査が進むと、竪穴住居は火災で焼失していることが判明し、小型銅鏡、装身具など通常の集落では出土しない貴重な遺物が次々に発見されました。
 入の沢遺跡の調査成果はこれまでの常識を覆し、新たな東北古代史の理解を必要とすることを示しています。本シンポジウムでは調査成果をもとに入の沢遺跡でいったい何が起きていたのかを明らかにし、古代東北の新たな歴史像を求めて、出土遺物、東北北部の続縄文文化などの観点で発表、討論を行います。
日程
第1日 9月21日(月)
10時開会 主催者挨拶 東北学院大学アジア流域文化研究所長 谷口 満
10時05分 シンポジウム趣旨説明 辻 秀人
10時15分 入の沢遺跡の調査成果 村上 裕次(宮城県教育庁文化財保護課)
11時15分 銅鏡からみた入の沢遺跡と東北の古墳時代 森下 章司(大手前大学)
12時    昼食 (入の沢遺跡出土遺物解説会 宮城県文化財保護課)
13時30分 玉類の流通からみた古墳時代前期の東北地方
       ―入の沢遺跡出土の玉類を中心に― 大賀 克彦(奈良女子大学)
14時15分 古墳時代前期の倭国北縁の社会-宮城県北部の様相- 高橋 誠明(大崎市教育委員会)
休憩(15分)
15時15分 「入の沢遺跡」の頃の東北北部社会 八木 光則(蝦夷研究会)
16時終了
第2日 9月22日(火)
10時     東北地方の古墳時代の始まり 辻 秀人(東北学院大学)
10時45分  ヤマト王権の動向と東北の古墳時代社会 和田 晴吾(立命館大学名誉教授)
11時30分  昼食 伊治城跡出土古墳時代前期土師器展示(栗原市教育委員会所有)
13時~15時 討論 入の沢遺跡で何がおきたのか  司会 辻 秀人
         1、入の沢遺跡の調査成果 火災住居、濠、柵木、土器様相
         2、鏡、装身具出土の意味
         3、入の沢遺跡の評価
         4、入の沢遺跡が語る歴史状況
問い合わせ先 東北学院大学アジア流域文化研究所 TEL・FAX022-264-6370
詳細 東北アジア流域文化研究所 公開シンポジウム「古代倭国北縁の軋轢と交流」|東北学院大学
東北学院大学アジア流域文化研究所 特別講演会「文化遺産の危機」
日時 2015年6月26日(金) 15:00~(14:45開場)
会場 東北学院大学土樋キャンパス 6号館2階 621教室
演題 「西アジアにおける文化遺産の危機とその現状
     ―いわゆる「イスラム国」問題との関連から―」
講師 長谷川 敦章 氏(筑波大学人文社会系研究員)
主催 東北学院大学アジア流域文化研究所「新時代における
    日中韓周縁域社会の宗教文化構造研究プロジェクト」
    (文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業)
備考 入場無料・申込不要。
    駐車場がございませんので、ご来場の際は公共交通
    機関をご利用ください。
詳細 東北学院大学アジア流域文化研究所
    特別講演会「文化遺産の危機」|東北学院大学

フライヤー(PDF形式485KB)
平成27年度 気仙沼市職員(上級・文化財)採用試験
試験区分(学力程度) 上級(大卒程度)
募集職種 文化財
採用予定人員 1人程度
実施スケジュール
 申込受付期間 平成27年6月1日(月)から6月25日(木)まで
 第一次試験   平成27年7月26日(日) 午前9時20分から
  気仙沼会場  市民健康管理センター「すこやか」
  東京会場    明治大学駿河台キャンパス
詳しい受験案内(実施要項)・受験申込書は下記のページでご確認ください。
平成27年度気仙沼市職員募集について|気仙沼市ホームページ
日本旧石器学会 第13回総会・研究発表・シンポジウム
日程:6月20日(土)・6月21日(日)
会場:東北大学片平キャンパス 片平さくらホール(仙台市青葉区片平二丁目1-1)
日程
6月20日(土)
○総会(13:00-14:20)
○一般研究発表(14:30-16:40)(発表・質疑応答含む20分程度)
 海部陽介・張鈞翔・高井正成・河野礼子・松浦秀治「台湾沖で発見された原人の下顎骨化石」
 内藤裕一・Dorothee G. Drucker・Christoph Wising・力石嘉人・大河内直彦・Patric Semal・Herve Bocherens
  「Spy洞窟出土ネアンデルタール人骨の食生態:個別アミノ酸の窒素同位体分析による新展開」
 野口 淳・横山 真・千葉 史「後期旧石器時代初頭石斧の3次元形態分析
  -東京都武蔵台遺跡出土資料について-」
 高倉 純「「細石刃」剥離技術をどのように定義すべきか」
 大塚宜明・上峯篤史・金成太郎・栗本政志
  「滋賀県大津市真野遺跡出土の細石刃石器群関連資料について」
 橋詰 潤「環太平洋地域における有茎尖頭器研究について」
○シンポジウム 『更新世末における東北日本の環境変動と人類活動』(16:50-17:10)
 趣旨説明 研究企画委員会(20分)
○懇親会(18:00~20:00)片平キャンパス内 レストラン萩(片平キャンパス食堂)
6月21日(日)
○シンポジウム 『更新世末における東北日本の環境変動と人類活動』続き(9:00-12:15)
 吉川昌伸「更新世末から完新世初頭のおける東北日本の環境」
 佐久間光平・川口 潤「石器群の種類と年代・東北地方」
 赤井文人「石器群の種類と年代・北海道地方」
 仲田大人「石器群の種類と年代・関東地方」
 加藤 学「石器群の種類と年代・中部地方」
 沢田 敦「遺跡構造から見た後期更新世末の東北日本」
○ポスターセッション・コアタイム (90分:12:45-13:45)
 鹿又喜隆「長崎県福井洞穴の細石刃製作技術と土器編年」
 越知睦和・沖野 誠・平ノ内武史「別府湾沿岸地域における旧石器時代の様相と編年的予察」
 熊谷亮介「石器横断面の分析手法に関する問題提起と改案
  -山形県の後期旧石器時代資料の分析から-」
 山岡拓也「台形様石器の投射・刺突実験」
 杉原保幸・高橋 康・牧野州明「長野県木崎湖畔小丸山ロームの生成時期とその「石器」群について」
 中村由克「東日本における緑色凝灰岩製石斧を持つ遺跡群」
 村椿篤史・熊谷亮介「山形県高倉山遺跡における遺跡形成過程の検討」
 及川 穣・隅田祥光・稲田陽介・池谷信之・亀井淳志
  「島根県隠岐諸島島後における黒曜石原産地の踏査報告」
 芝康次郎・及川 穣・亀井淳志・角縁 進・隅田祥光・船井向洋・一本尚之・越知睦和・稲田陽介・
  腰岳黒曜石原産地研究グループ「佐賀県伊万里市腰岳黒曜石原産地の分布と元素分析結果」
 岩瀬 彬・森先一貴・出穂雅実・米田 寛・廣松滉一
  「岩手県大渡II遺跡の後期旧石器時代資料を対象とした石器使用痕分析(予報)」
 黒田篤史・菊池強一・小向裕明・武田良夫・佐川正敏
  「金取遺跡の斧形石器をAPA KOREAで展示-大型重量石器に対する海外研究者のコメント-」
 門脇誠二「ムトングウェ遺跡における背付き細石器技術:
  アフリカMSA/LSA移行期における技術変化の考察」
○パネルディスカッション・コメント (13:45-15:15)
○講評(15:15-15:30)
○閉会 15:30
※注意事項
 会場に駐車場はありませんので、お車でのご来場はご遠慮ください。
 宿泊:各自でご手配下さい。
詳細情報:日本旧石器学会
多賀城市 八幡沖遺跡 第9次調査 遺跡見学会
日時 2015年4月18日(土) 午前10時30分から
場所 宮内地区災害公営住宅建設予定地
    多賀城市宮内1丁目117番1ほか
    JR仙石線 多賀城駅から徒歩18分(イオン多賀城店東側)
調査成果 古代末~中世頃と推測される建物跡のほか、八幡神社の西側を区画していたと推測される区画溝を発見しました。
開催案内(PDF形式3.75MB)
テーマ展示「修復された被災文化財―色麻古墳群」
期間 平成27年3月3日(火)~9月27日(日)
会場 東北歴史博物館 テーマ展示 第1室
 東日本大震災では当館の浮島収蔵庫も被災し,棚が倒壊して収蔵資料も大きな被害を受けました。色麻町色
麻古墳群出土資料も被害を受けた資料の一つですが,無事修復が終了しました。
 この展示では,修復土器の他,未公開資料も含め7世紀から8世紀前半に築かれた色麻古墳群出土資料を紹介します。
詳細情報 テーマ展示 第1室|東北歴史博物館

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